ハンブルク一人旅

ブレーメン滞在の最終日、事後会議が午前中で終わり昼から半日の時間ができたので、列車に乗って100kmほど離れたハンブルクの町へ行ってきました。
ブレーメンの中央駅。ドイツの駅はどこも本当に美しい。

ブレーメンハンブルクを結ぶ普通列車。2階建てで、やたらでかい。単にレールの幅が広いというだけでなく、車両限界(トンネルの断面など)がかなり大きく設定してあるのでしょう。

これは、側線に留置してある客車。ドイツでは機関車牽引列車がまだまだたくさんあります。

特急の車内。なかなか快適。客車=各車両にモーターがないので音も静か。

この特急はプッシュプルといって、編成の前後に機関車を配置して牽引する方式でした。

こちらはCity Night Lineと書いてある、寝台列車。中をちらっと覗きましたが、日本でいうところの開放式B寝台に扉がついたもの(Bコンパート)のようなでした。

ハンブルク中央駅の構内。広い吹き抜けの駅舎は圧巻。すばらしい!


さて、駅から出てハンブルクの市内を散策。通りの向こうに見える尖塔は市庁舎。

ハンザ同盟都市の象徴としての庁舎は、日本の県や市のそれとは異なる意味を持つのでしょう。

3連バス。長っ!!

ハンブルクは港町で、運河が発達しています。閘門。右と左で水位が違うのがわかるでしょうか。

運河沿いのカフェでは、人々が日曜日の昼下がりを楽しんでいます。

ハンブルク国立歌劇場。

若き日のマーラー音楽監督をしていたのですね。

ジークハレ。

北ドイツ放送交響楽団NDR)が本拠にしていたこのホール。NDRというと、晩年のギュンター・ヴァント指揮のブラームス交響曲全集。枯淡の限りを尽くした先に深い味わいのある素晴らしい演奏でした。
ハンブルクが生んだ大作曲家・ブラームスの楽曲は、このオーケストラにとって特別なものであったに違いありません。

ブラームス博物館は、さりげなく立っていて一度は通り過ごしてしまいました。それほどに小さな、しかし温もりのある博物館でした。

自筆の楽譜。交響曲第4番。

ブラームスが洗礼を受けたという聖ミヒャエル教会。

教会の内部。

塔に上ることができます。ここから見渡した街並みは本当に美しい。

優美な曲線を描く地下鉄の高架。注目すべきは、溶接ではなくリベット(鋲)打ちであること。日本だと戦前の橋などによくあるのですが、これはいつごろのものなのでしょうね。

その上を走る地下鉄。

赤煉瓦の倉庫街。
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そして、先ほどの塔の上からも見えた聖ニコライ教会の廃墟。



第二次大戦の際に破壊されたとのこと。

ドイツの人たちは、自国の歴史をどのように認識しているのでしょうか。


さて、そんなことを考えつつ市役所の横の運河。ヴァイツェン!!

暮れゆく市庁舎を眺めながら、外の台船の上に設えられたテラスでビール片手に一人ディナー。


そして中央駅へ。


短い時間でしたが、充実した一人旅でした。

INVESTとブレーメンの街並み

ブレーメンというとグリム童話ブレーメンの音楽隊」。その像は、市庁舎の横に、拍子抜けするほどさりげなく立っています。

その横にある、聖ペトリ大聖堂。荘厳な内部。



エルベ川。もっと大河かと思ったら川幅はそんなこともなかったです。

空襲で焼けなかった旧市街。今は土産物屋通り。

広場にはマーケットがあちこちに。ソーセージ、野菜、果物、乳製品、ジェラート、土産物、植木、球根などいろいろ売っている。
これは果物屋さん。

こちらはチーズのたぐい。

お花もたくさん売っています。

ブレーメン市内にはトラムという、要するに路面電車なのですが、縦横無尽に走っています。編成が長く、加減速性能がかなりよいのが日本の路面電車との違い。人がたくさん歩いている市街地でもすいすい。

こちらは別系統の路面電車。昭和30年代の北海道あたりの酪農軌道を彷彿とさせるかわいらしいフォルム。


さて、22日はせっかくドイツに来たのだしということで、昼からちょっとビールを飲み、

日本人のみでホテルの会議室に集まって、全体会議に向けての決起集会というか事前会議。そのあと、またビールを飲み、

トラムに乗ってアイスブレーカーへ。久々にみなさんと歓談。ここでもビール。
高知組?の写真をとる学さん。

んで、帰ってからまたビール。飛行機の中から数えると断続的に飲んでいる。

さて、23日からは会議本番。朝8時過ぎから夕方6時までみっちりやります。

大入りです。この講堂でいくつか講演を聞いた後、数十人のワーキンググループに分かれて議論&意見集約。というのが1日の流れ。

Keynote Lectureは勉強になりました。物質循環、地下生物圏、気候変動。
グループワークは、自分の専門とはちょっと違うグループに配属されました。初日は「プレート境界の始まり」、2日目は「Tectonic Climate Linkage」。
門外漢であっても、自分の専門から見た意見を言うのは大事ではないかと思いいくつか発言しました。それはそれで刺激的で、楽しかったのですが、やはりまとめるのはグループチェアなので、その権限の強さを思い知らされたのもまた事実です。


そして、会議を通して、自分も含めた日本人の発言力のなさを痛感しました。もちろん積極的に発言されている方も沢山いらっしゃるのですが、国別の発言数を参加者数で割った値は、日本はアメリカ・ヨーロッパより明らかに低く見えました。これは単純に英語能力の問題だと思うのですが、残念なことです。せっかく日本からのWhite Paperが沢山出されているのに、それが活用されず、その場での議論のみで全てが決まっていくグループもあったと聞きます。
短期的には、事前・事後に十分なネゴシエイションをして、ディベートでの不利をカバーする。長期的には、英語での瞬間ディベート能力を養う。これが重要なのでしょう。


ところで、会場の外にあったこの像。怖い顔してますね。なんというか、悪趣味。

23日の会議初日は、終わった後、海洋調査の用具をしまう倉庫みたいなところで大宴会。そうそう、ここブレーメン大学は、高知コアセンター、テキサスA&M大学と並んでIODPのコア保管3拠点のうちの1つなのです。


東大の同期、長谷川くん。北海道で頑張ってます。○○おめでとう!

昼もちょっとだけ飲み、

夜も飲み、

ソーセージ山盛り。

翌日も飲む。
とりあえずヴァイツェン白ビール)と言っとけばうまいということがわかりました。すばらしく芳醇な味わいです。

西洋音楽史

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

こちらに来る飛行機の中で読みました。
いわゆるクラシック音楽の通史。ほとんど底なしの世界を、1冊によくまとめてあります。
まえがきに「ヨーロッパ観光ガイドとして活用してほしい」と書いてあるとは知らずに、まさにその通りのことをやってみたわけですが、持ってきて正解でした。
特に印象に残ったのは、ドイツ・ロマン派の音楽が、当時隆盛をきわめたフランスやイタリアのサロン音楽的なものの影響を受けつつも、それに対抗するものとして書かれたというくだり。
各々の作曲家や曲と、当時の宗教、社会情勢、風俗、思想などとの関連が浮き彫りになる好著です。

ブレーメン到着

岡山で地質学会のあとも巡検、広島で地球化学会といろいろあったのですが、昨日からINVESTという、これからの統合国際深海掘削計画をどうするか?みたいな会議でドイツのブレーメンに来ております。
事前に聞いた話だと、総勢500人、日本からの参加者は80人程度とのこと。


昨日は高知→羽田→成田→ミュンヘンブレーメンと、20時間かけて移動。さすがにこれは長かったです。
いま、朝の6時半。
今日は日本側の事前打ち合わせがあって、明日からが会議。どんな議論と意見集約をするのか、向こうの若手はどういう人たちで何を考えているのか、楽しみです。


私はこれまで環太平洋しか行ったことがなかった(行った最東端がグランドキャニオン、最西端が台湾、最北端がアラスカ、最南端がキャンベラ)ので、初ヨーロッパにどきどき。
ヨーロッパはどこでも何か重厚な石造りの建物が残っているような先入観だったのですが、ホテルのまわりはそんなこともなく、よくある近代的な都市でした。
空港からホテルまで乗ったタクシーが120km/hでぶっ飛ばしてたのが印象的でした。アウトバーンは速度制限ないんですね。

岡山

4〜6日、岡山理科大で地質学会がありました。
自分の発表に加え、巡検のコース案内(5分ぐらいかと思ったら15分も!)、会議×3、などでばたばたしていて今回は、学会そのものをあんまりちゃんと楽しめなかった気がします。聞きたいセッション、聞きたい発表の多くを逃してしまい、自分の準備不足を反省した次第です。
もちろん、いい発表もたくさんありました。特に、後輩諸氏がいい仕事をしているのを見ると、とても励みになりますね。


そして夜の部。
初日の懇親会では、地酒が15種類ぐらい出てきたことに驚きました。高知の酒とは違い、米の甘みと旨みを多く含むような酒が多くてよかったです。翌日発表があるのに、一次会でへべれけに。まずい!ということで、2次会には行かず、ホテルに缶詰で発表を仕上げた次第。

2日目、南海掘削タウンミーティングの後の飲み会は、駅西口の「飛鳥」。
http://www.bco.jp/asuka/
〒700-0024 岡山市北区駅元町30-10 tel (086)252-4151 午前11時〜午後10時、毎週水曜日定休
なんたる!私の名前ではないか!

料理も美味しかったです。特にさわらの刺身と、たこの刺身が秀逸でした。


3日目、まだ明るいうちから飲み始めたのは、駅東口の「鳥好 駅前本店」
http://nttbj.itp.ne.jp/0862335810/menu1.html
〒700-0901 岡山県岡山市北区本町5−8 tel 086-233-5810 16:00〜24:00、年中無休

おお〜これは正しい居酒屋。裸電球に年季の入った机がたまりまへん。

料理も美味。ごぼうの入った煮こみや、ままかり、白魚の天ぷら、串焼きなどいずれもおいしかったです。5時間近くいて、1人4000円弱。


岡山ってきびだんごのイメージが強すぎて、何もないところだと思って正直なめていました。すいません。酒あり海の幸あり居酒屋ありの、なかなかいい街でした。

白い秋

もう9月。
いつの間にか彼岸花が顔を出し、空には秋のうろこ雲。


金曜日から岡山で地質学会。9月はこのほかにも地球化学会@広島、INVEST@ブレーメンと学会・会議が続きます。


来週の火曜日に小学生が見学に来るので、地震津波のメカニズムをわかりやすく説明する模型を作成中。

こんにゃくを使ってみたり、試行錯誤。なかなかうまくいきません。

さて、本番はどうなるでしょうか。

牟岐・東京

23日から25日の昼まで、地質学会の巡検の下見のため牟岐に行っていました。潮なかなか引かず、膝下まで濡れました。当日は波が高くならないことを祈ります。


しばらくぶりの牟岐界隈は、なんだか寂れてしまっていました。
宍喰の道の駅の温泉と、日和佐の千羽温泉がどちらも廃業していました。フィールド帰りに寄れる適当な風呂がなくなってしまった。
そして、宍喰の海沿いにあったカレー屋さん「A-7」までもが廃業していました。調査のたびに1回は寄って、激辛カレーを食べていたのに・・・

美波町こと日和佐は、こんどのNHKの朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」の舞台だそうで、これを機になんとか活性化してほしいものです。
それにしても、ウミガメが産卵に来る町だからって「ウェルかめ」とは、なんと安易なネーミング。ま、こういう言葉遊びは嫌いじゃないですけど。


そして25日の昼から今朝まで、会議のため東京出張。
東京ってすごい。大都会です。
そもそも空港に飛行機があんなに沢山並んでるのがすごい。(しかも、全部ジェット機!)
山手線の1編成には村1つぶんぐらいの人が乗っています。それが3分おきぐらいに動いてるって、ほんとにすごい。
田舎に来て、あらためて都会のすごさを認識した次第です。良し悪しは別として。


会議では、大きな宿題を仰せつかりました。がんばります。