鳥研巡検その3

最初の記事に書いた4日の見学対応、なんとか無事に終わりました。
コアセンターの設備について説明してみて改めて、自分の知らないことの多さに驚き恥じ入りましたが、楽しそうにしゃべることはできたかな、と思います。



4日は午後から汗見川に。川で泳いで、またバーベキュー。とにかくバーベキュー。
新物のさんまが美味!

この日も遅くまでしゃべりました。お題は、変成岩からフラクタルから筋肉から押尾学から藤原紀香まで。

鳥海先生は、一緒にいると本当に楽しい方です。むちゃくちゃなこともたくさんおっしゃるのですが、それがまた楽しくて仕方がない。
ここに集まっている人たちはみな、鳥さんが大好きなのです。


そして私はどうも、「むちゃくちゃな教養人」の下につくのが好きなようです。
今までに恩師と呼べる方は皆、そうでした。
学さん然り、中学高校時代の恩師である、故・河田先生もそうでした。
今コアセンターでお世話になっている方たちも、その気があります。


やっぱり研究者は、むちゃくちゃでないと。

鳥研巡検その2

2日目。
当然のごとく二日酔い。

へろへろの体に、朝日が眩しすぎます。

ねむの木の花。

いきなり渡渉。水が冷たくて気持ちいい!

garnet zone中の巨大石英脈。どうやってできたんでしょう?

昼食を肉淵谷で食べ、エクロジャイトの転石拾いをしたあと、
田阪さんの卒論フィールド・芋野かんらん岩体へ。
http://www.gaea.k.u-tokyo.ac.jp/tasaka/tasaka.html
芋野のほとんど唯一の露頭。

採石所の崖だけど、私には正直、ブタ露頭にしか見えない(失礼!)。
なんか崩れてるしー。。。葉っぱのついた木が転がってるよ?こないだの大雨?

よくこんなのやる気になったなぁ〜と驚きました。
しかし、露頭スケールではよくわからなくても、地道にサンプル採って薄片作ってEBSDはかりまくって、おもしろい成果が出るのですね。
田阪さんと初めて会ったのは、京都の地質学会のとき。当時学部3年で、薄片を作るのが趣味だと言ってたのを覚えてます。
小動物のような風貌ながら、とっても優秀な後輩です。
こんな所をやってたのか。改めて感心しました。

さて、その後は銅山川を少し下ったところ。
伸びたアルバイトスポット。美しい。

こっちは斜長石ばっかりの石。

なんじゃこりゃ、と言ってるところに雨が降ってきて、あえなく終了。
四国の雨はものすごい。雨粒の大きさが違います。ワイパーを最強にしても、前が見えないほど。
翌日の朝に件の見学対応があるので、この日は高知に戻ったのでした。

鳥研巡検その1

私がベインに興味をもったのは、3年のときの室戸実習のこと。
その年の春に、鍵層が豊富で構造もわかりやすい清澄の地質図書きを終え、いきなり放り込まれた四万十帯。断層・褶曲が至るところにあり、めちゃくちゃ複雑(に見えた。その当時は)。
その担当教官が鳥海先生でした。
ものすごい早口でviscosityがどうの〜、プレート境界のメカニカルカップリングが〜、クラックのクラスターが〜、とまくしたてられ、正直全然わかりませんでしたが、なにやらおもしろそうだと思ったのがそもそものきっかけ。
指導教官は学さんになりましたが、それ以来、博論審査に至るまでずっとお世話になっています。

そんな鳥海先生も今年で退官ということで、昨日今日と、鳥海研の四国三波川帯の巡検に参加してきました。
東大のほかに、東北大・千葉大・名大・広大・九大からも人が集まって総勢16人。

初日は新居浜駅集合、国領川沿いのルート。

露頭を前に議論。毎年説明が変わる??


夜は、西ちゃんも愛した筏津山荘でバーベキュー。

どんどん肉投入。


そして話は尽きず、持ってきた3升の酒を飲み干し、おひらきとなったのでした。
最後の方は桑谷さんとなにやら熱く議論していたようですが、あまり覚えていません。。。

科学の芽

来週、高知コアセンターには地元の小中学校の先生方が見学に来られます。
見学対応は、教員とポスドクの大事なお仕事。
「ちきゅう」の映像DVDをお見せした後に、それをふまえてコアセンターの説明をして、
そして館内のさまざまな機器や、コア保管用の冷蔵庫を実際に見ていただくというのが通常の流れ。

コアセンターに着任して4か月。
これまで見習いとして聞いているだけだった私にも、映像の後の説明の仕事がまわってきました。
結構、緊張します。なんせ教えるプロの前でしゃべるわけですから。
いろいろ説明の仕方を考え、引き継いだプレゼンにかなり手を加えました。主な変更点は以下の3つ。

1.向こうが聞きたいことを重点的に言う
2.こちらが伝えたいことを重点的に言う
3.映像の内容はやや古いので、その後のupdateを盛り込む

理科離れが叫ばれている今日、初等教育の先生方には何を伝えるべきか?と自問し、
最後のスライドに入れたのが朝永振一郎さんのこの言葉。


 ふしぎだと思うこと 
  これが科学の芽です

 よく観察してたしかめ そして考えること 
  これが科学の茎です

 そうして最後になぞがとける 
  これが科学の花です


改めて読みなおしてみると、簡潔でじつによく本質をとらえた、素晴らしい言葉ですね。

先生方にはぜひ、「科学の芽」を育てていっていただきたい、このセンターや私が、そのための一助となれば、と思います。



申し遅れました。この日記では、ひよこになりたての一研究者の、南国土佐でのつれづれを綴ります。