お手紙

読んでいただける確証はどこにもないのですが、例の意見書は文科省の担当の課長さんにも直接郵送しました。以下のお手紙を添えて。

前略 


 日頃より私たちの研究活動に対するご理解・ご支援をいただき有り難うございます。

 私たちは、地球科学のさまざまな分野を専門とする若手研究者(学位取得後6年以内〜博士課程在学中)です。このたびの事業仕分けに関して、文部科学大臣副大臣政務官宛に、同封の意見書を送付させていただいたことをご報告いたします。これは、私たちが大切に使わせていただいている科学技術予算が、万が一仕分けの結果通りに縮減されれば、研究の継続が困難になるばかりか生活の危機にも直面するという深刻な現実に対して居ても立ってもいられず、大変な危機感のもとに連携して文面を練り、書きあげたものです。

 ご存じの通り、研究の世界は日進月歩の熾烈な競争が行われており、研究者としてのキャリアを歩み始めたばかりの私たちにとって、このようなことに貴重な研究時間を割かざるを得ないことは決して本意ではありません。しかし、私たちの中には、既に来年度の契約非更新や、給与の減額を上司から示唆された者もおります。同じ道を歩み、互いに切磋琢磨し合う優秀な同志がこのような苦しみに直面し、明日は自分の身にも同様のことが生じるかもしれないこの現状に、私たちの誰もが耐えることはできません。所属機関や所属学協会の別にかかわらず、それらを横断して、個人ベースで研究現場の生の声をお伝えいたしたく、意見書を差し上げた次第です。

 仕分けの現場で血の滲むような努力をなされた公務員の方々には頭が下がる思いでいっぱいです。大変お忙しくされているところ恐縮なのですが、皆様方にも何とか私たちの思いをお伝えいたしたく、失礼を省みず、直接お手紙を差し上げました。
 どうか私たちの思いを汲んでいただき、来年度科学技術関連予算の安定確保に向けてさらなるご努力をしていただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。


草々